仏さまのお心を表現するにはこの上ない楽器だと思います。

お客様:僧侶 坂本了一様

この度、寺の分院を建設して「ファツィオリ 」セミコンサートグランドF228を常設致しました。大幅に竣工が遅れたため、ピアノフォルティ様には大変ご迷惑をおかけ致しました。A・ワイル社長様の熱いご支援のもと、無事に搬入が終わりましたが、芳醇な温かい音色は搬入直後でも醸し出してくれて大変驚きました。

A・ワイル社長様は、イタリアご出張直後にも関わりませず、搬入作業に間に合うように訪ねて下さり、不具合がないか、細かく確認して下さいました。感謝 感謝です。

分院は、近い将来に納骨堂自動搬送装置の稼働を見据えた事業です。日本には、たくさんの納骨堂があり、いろいろと特色を出して差別化を図っていますが、「ファツィオリ」というピアノを常設した納骨堂は聞いたことがないので、是非にと建設委員会で提示して購入の運びとなりました。

昔、大陸の東西交流はシルクロードという険しく細い道で営まれていました。西はヨーロッパ・イタリア、そしてインド、東は中国です。仏教はもちろんのこと、日本が大陸から受けた影響は計り知れません。イタリアと日本を結ぶ"いにしえの糸"をファツィオリという新興メーカーではありますがイタリアのピアノに感じました。分院も、長崎街道沿いに建設され、尚一層の縁深さを感じています。

2階のご本堂において、ファツィオリの音色が溢れている中で儀礼(仏さまの後ろから日没の光が差し込みます)を執行させて頂いたり、また、演奏家による素晴らしい演奏、アマチュア演奏家や子どもたちによるにぎやかな演奏も楽しみです。60席ほどの椅子席本堂では、たくさんの方々に開放して、品があり、しかも芳醇な音を出してくれるファツィオリの音色を共に聴いていきたいです。

調律師・越智 晃さんが、かつてショパンコンクール関連のTVで「今回のピアノは、温かく深みがあり、どんな弾かれ方をしても懐深く受け止めてあげられる形で仕上げてきた...」とおっしゃっていました。この度搬入致しましたF228は、全くそのお言葉を表現して下さる楽器で、仏さまのお心を表現するにはこの上ない楽器だと思います。攻撃的でなく、ただ音量が豊かであればいいというものでもなく、しかし、奥には巨大なエンジンを搭載していることを控えめにして豊かに鳴って下さるという、この楽器に大いなる謙虚さを感じます。
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