ファツィオリピアノをあまり知らない人(残念ですが、まだ多くのピアニストが試されていませんね)の頭の中には、ファツィオリ=4本ペダルという固定されたイメージがあるようですし、このペダルの使用方法や効果を知っている人もとても少ないようです。
そこで、4本ペダルに関する誤解を解くと共に、よくあるご質問にお答えしようと思いました。他にもご質問がありましたら、どんなことでもご遠慮なくご連絡下さい。
Q1: コンサートで聴くファツイオリは常に4本ペダルですか?
いいえ。皆様が聴かれるコンサートは基本的に通常の3本ペダルです。現在4本ペダル付きのピアノは福井県美浜町なびあすホールと大阪府堺市の「フェニチェ堺」ホールにあるF308のみです。
Q2: F308にしか設置できませんか?
どんな機種にも設置できます。一番大きいモデル(F308)は基本的に4本ペダル付きで生産しますが、3本ペダルのみのF308のご注文も可能です。それ以外のモデルではオプションとして注文出来ます。後からは設置できないので、注文時にご指定頂く必要があります。4本ペダルはパオロ・ファツイオリの「音楽性に集中できるよう容易に弾けるピアノを」という哲学から生み出された、ファツィオリが特許を持つ革新的技術です。
Q3: ファツィオリの4本ペダルの効果は何ですか?
効果は二つです:
1)鍵盤が浅くなります。普通のピアノの鍵盤の深さは約10mmですが、4本ペダルを踏むと深さが約6mmになります。
2)ハンマーの打弦距離が約半分になります。
その結果、音量が減って、タッチが軽くなりますので、早いピアニッシモが弾きやすくなります。
しかし、一般的ななシフトペダル(ウナコルダ)と違い、ハンマーと弦との接点は変わりません。音色を変えてピアニッシモを早く弾きたい場合は、ウナコルダと4本ペダルと両方踏む事も可能です。
Q4: 音楽的なメリットは何でしょうか?
4本ペダルがあれば、音楽の幅が容易に広がります。つまり、
- シフトペダルを踏むと、音量が少なくなると共に、音色が変化します。4本ペダルの場合はピアノの音色・音質はそのままです。例えば、ラヴェルの「
夜のガスパール」
に、大変良く合います。
- シフトペダルと4本ペダルを同時に踏むと、非常に小さな、深いppp音が可能になります。
Q5: でも、ちょっと不安です。慣れる時間はどれくらいですか?
即座に喜んで使用されるピアニスト、戸惑われるピアニスト、両方いらっしゃいます。
コンサートで使う前には、少し練習が必要かもしれません。
Q6: F308をコンサートで弾きたいのですが、ちょっと不安です。どうしたらよいですか?
ご安心下さい。練習時間が取れない場合は、一般的な3本ペダルと交換できます。この交換作業は約3分です。リハーサル時にお試し下さい。
Q7: 購入を検討するピアノで4本ペダルのファツィオリが面白いかな、と思います。4本ペダル付きピアノの製作期間は何ヶ月でしょうか?
約6ヶ月です。マイファツィオリのご希望がございましたら、ご遠慮なくご連絡下さい。