TAGO STUDIO TAKASAKI

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TAGO STUDIO TAKASAKI 運営責任者
作曲家・音楽プロデューサー
多胡 邦夫 (たご くにお)氏
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音楽によるまちの活性化を目指す群馬県高崎市のプロジェクトに、作曲家・音楽プロデューサーとして活躍する多胡邦夫氏が運営責任者として参画した 「TAGO STUDIO TAKASAKI」。行政施設でありながら、国内トップクラスのレコーディングスタジオが高崎市に開設されて2021年3月で8年目を迎えた。「反響」を抑えるスタジオが主流の中、あえて「響き」を重視したスタジオを建設。スタジオピアノには、ファツィオリF278を採用。「独自の響き」と「ファツィオリ」が都心からプロの演奏家を引き寄せる要因となっている。
プロ向けにレコーディングを行う一方、市民に向けた活動も積極的に展開。高崎を拠点に世界に向けた音楽発信を視野に入れて活動する、注目のレコーディングスタジオである。

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設立の経緯
高崎市とプロの音楽家のコラボレーションにより設立された TAGO STUDIO TAKASAKI は、群馬県高崎市に位置するプロ専用レコーディングスタジオである。東京に一極集中している音楽業界において、地方都市にあるプロ専用スタジオは珍しい。その設立の経緯は、市政から高崎出身でポップミュージックの最先端で活躍する多胡氏に、「音楽のまち高崎」として世界に音楽を発信して行きたいという要望が託されたことに始まる。多胡氏のアイディアを取り入れる形でプロ専用レコーディングスタジオを開設するに至った。

「サッカー少年にとってはサッカー場、勉強する子達にとっての図書館があるように、音楽好きの子達のために営利目的でないレコーディングスタジオがあっていいと思ったんですよね。東京に集中しているプロレベルのレコーディングスタジオが高崎にできれば、音楽を志す群馬の若者にとっても夢が広がると思いましたし、良質のスタジオであれば、東京のプロミュージシャンからの需要は高いと思いました」と多胡氏は力強く語る。

高崎への郷土愛と共に、プロミュージシャンの要望を熟知し、成功の確信を持って準備を進めた様子が伺える。トップアーティストの楽曲制作に長年携わるなど、音楽業界で活躍を続ける多胡氏の存在と情熱が、市運営のレコーディングスタジオの誕生とその後の順調な歩みの鍵となっていることは疑いもない。 _PS_7768.jpg

こだわり抜いた「響き」のあるスタジオ
しかしながら、東京と同等のクオリティのスタジオを高崎に作って足を運んでもらうのは簡単ではない。その難点をクリアしたのは、多胡氏の音に対するこだわりによって生まれたスタジオの独自性であった。

「近年は、吸音材で反響を抑えるレコーディングスタジオが多数を占めていますが、私は、ただクリーンなだけではなく、かすかな歪みやズレがグルーヴを生み、感情に訴えかけると感じています」と話す多胡氏は、他にはない「響き」のあるスタジオを高崎の地に実現させた。同スタジオの柔らかくて自然な響きは、音の反響を分散させせるスタジオの多角形状と壁材に使用された浅間山の溶岩や漆喰などの天然素材により生み出されている。

「行政が関わっているスタジオはこの程度だよね、とお客様に絶対思わせたくなかった」と話す多胡氏は、床材・照明機器からヴィンテージ機材に至るまで、全ての設備・機材の選定に関わり、満足のいくスタジオを作り上ることができたと言う。その素晴らしい独自の響きは、特にドラムやピアノの生楽器のバンドサウンドを求めるプロミュージシャンから高く評価されているそうだ。 _PS_7847.jpg

スタジオの命 - ファツィオリ
ギタリストの顔も持つ多胡氏だが、作曲にあたってはギターを弾きながら曲を作っていても頭の中ではピアノの音に変換されて聞こえるというほど、ピアノは彼の音楽にとって重要な楽器である。そのため、スタジオピアノの選定にも大変こだわり、複数メーカーのピアノの試弾を4~50台重ねたと言う。

「ピアノ選びに迷っている時に知り合いのピアニストから、『多胡くんの曲はすごく情熱的だからファツィオリなんてすごく合うと思うよ』とメッセージをいただいて、初めてファツィオリの存在を知りました。ショールームで初めて音を聞いた時に衝撃が走って、あの音を聴いてしまったらそれまで試弾していた他のピアノを一切聴けなくなるくらい感動しましたよ。感情的な音、高音の美しいキラキラした音、低音のしっかり響く音。低音から高音までどんなに弾いてもバランスよく鳴ってくれるピアノはレコーディングに最適。ジャンルを選ばすどんな楽曲でも美しい音で録音できるだろうと思って購入を決めました」と、10年近くも前のファツィオリとの出会いをつい先日の出来事のように話してくれた。さらに、「スタジオにとってピアノは命。ファツィオリを弾きたいからスタジオに来てくれるお客様がいる。特に、オープン当時はピアノがものすごく武器になった」と多胡氏はファツィオリの重要性を強調する。

ファツィオリを目的に来てれくるお客様のためにも、一日に何度も湿度のチェックを行うなど徹底したメンテナンスを心がけていつも最高の状態のピアノを用意しているとのこと。

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地域振興を目指して
同スタジオは、地域振興への貢献を条件に「特別地域振興プラン」を提供し、サービスクオリティの高さと低廉料金を両立していることもユニークな点。また、併設されている市民ラウンジでは、スタジオ活動の展示の他、キッズスペースや美味しいクレープが評判のカフェスペースがあり、年配の方から赤ちゃん連れの家族までが訪れる市民の憩いの場となっている。「ミュージックフェスティバルやオーディションの開催をしているので、アマチュア発掘からデビューまでバックアップしていきたい」と今後の展望を熱く語る多胡氏。高崎の音楽拠点として、プロミュージシャンからも音楽好きの市民からも末長く愛されていくことであろう。
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Unboxing! ファツィオリ開梱ビデオ、2種類

「Unboxing」(箱から出す、開梱)のテーマのビデオが大変人気になっています。ネットショッピングの影響で、届いた荷物の箱を開けるのは日常の楽しみとなりました。

しかし、一般の人はピアノを箱から取り出すことが出来ませんので、ピアノの「Unboxing Video」を見て、ヴァーチャル体験をお楽しみ下さい。

最初はオランダ人ピアニスト Christiaan Kuyvenhoven  (クリスティアン・カイヴェンホーフェン)が、ファツィオリ工場にてF212を開梱します。ピアノをセットアップしながら、ファツィオリピアノの特徴を解りやすく説明します。このビデオをご覧になれば、ファツィオリピアノの優れた特性についてご理解が深まることでしょう。


人気ピアニスト・YouTuber  Mr. フォルテ はファツィオリオーナーで、ピアノの「あらゆること」に大変な関心を持たれています。弊社のコンサートグランドピアノの搬入に立ち会われました。「初音出し」だけではなく、ファツィオリジャパンにおけるピアノの輸送・搬入・開梱を詳細に報告してくださいました。
是非ご覧ください!

第16回ルービンシュタインコンクール開幕

(Szymon Nehring, 2017年のルビンスタインコンクール優勝者)
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2020年に予定されていた同コンクールが、一年遅れて4月1日に開幕しました。
予選は収録演奏のオンライン配信、ファイナルは会場での実演審査という形での開催です。

弊社はFazioliが初めて参加した2014年の第14回コンクールにて 技術・アーティストリレーションを担当。以降ファツィオリを選んだ出場者が優勝、入賞の多くを占めたことから、このコンクールを敬愛するファツィオリジャパンでは、これまでに 第14回 15回の優勝者 、 入賞者を招き日本各地でコンサートツアー を行っています。

同コンクールは、コンクールという緊張する堅苦しいイメージとは打って変わって、出場者が各自の選り抜きのプログラムを披露する「フェスティバル」に近い印象です。持ち時間内でのアンコールも許され、音楽を高度に愛する聴衆の惜しみない大喝采に、会場がクラッシクコンサートと思えないほどに沸き立ちます。また、基本的にイスラエルの作曲家による課題曲(通常二択)以外には課題曲らしきものはなく、プログラムの組み方も評価の項目になっているようです。
毎日、座談会やインタビューなど様々な楽しいイベントが行われ、出場者は練習の合間にホテル裏のビーチでリラックスしたり、美味しいイスラエル料理を食べたり・・・。

今回は、第1・2次予選は事前に収録した録画を使用したオンライン・トランスミッションですが、コンクールH Pに掲載されている動画からも、出場者の紹介、ピアノ選定や出場順番のくじ引きなど、以前と変わらない様子が伺えます。

まずは、コンクールの オープニングビデオ で臨場感溢れる前哨戦の風景をご覧ください。

ビデオの再生時間(xx:xx:xx)を表示しながら、一部ご紹介します。

出場順番:00:13:13 から。通常は、くじ引きする順番をくじで引いてから順番決定のくじ引きをする二段構えですが、今回はオンラインで出場者の名前を書いたルーレットが回り、当たった人が自分で好きな順番を選べる仕組み。

ピアノの選定:00:18:39から。 出場者は世界5都市の収録スタジオから選ぶことができ、北京を除いてはファツィオリが選べます。基本的にスタインウェイとファツィオリが提供されています。5都市はテルアビブ、NY,ロンドン、ポツダム(独)、北京です。
このビデオではDimitri Maglinan(仏)の選定シーンが紹介されています。実にイケメンの好青年ですね。選ばれなかったピアノが舞台のそでに動かされる悲哀を思いました。(はい、良くあることです)。今回はファツィオリにとっては嬉しいチョイスでしたが。

通常であればピアノは数日前に選定しますが、今回は選定してすぐ実演録画。選定時間も10分と短縮されています。この「演奏」プロセスに関し、色々な都市の出場者のインタビューを見ることができます。皆さん非常にポジティブです。PCR 検査も義務として行われている様子。
第一次ラウンドでは32人の出場者中、11人がファツィオリを選んだようです。

続いて00:35:19から前回優勝者・入賞者のインタビュー。
通常は、前日に前回優勝者によるオープニングコンサートがありますが、ビデオでは
01:34:52より優勝者Szymon Nehring がファイナルで弾いたベートーヴェンのピアノコンチェルト第1番作品15 が聴けます。日本にも優勝者ツアーで来日し、大人気となりました。彼は第18回ショパンコンクールに出場予定(予選免除)です。あの時の感動を再び、ぜひお聴きください!

さて、ここまではフリーアクセスでしたが、予選での演奏を視聴するにはチケット購入が必要になり、現在は、2次予選とファイナルのチケットを購入できます。
以下のURLからラウンドごとに購入できます。価格はイスラエル通貨シェケルで表示されており、現在の通貨レートは、およそ1シェケル34円くらいです。

各ラウンドの結果発表は無料でアクセスできます。

コンクールが次々キャンセル・延期になる中、例年会場となるテルアビブ・アートミュージアムの舞台を背景に流れる臨場感たっぷりのルービンシュタイン・コンクールの演奏をぜひお楽しみください。

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さて、現地時間4月6日21時、参加者の半数にあたる下記16名が1次予選通過者として発表されました。うち5名(赤字)がファツィオリを演奏しました。
大変喜ばしいことに、日本からは、桑原志織さんが久方ぶりの1次予選通過者となりました。おめでとうございます。
2次予選は4月7日から10日にかけて行われます。

1次予選通過者

WANG Zhu 中国

MOUZA Alexia  ギリシャ / ヴェネズエラ

SUH Hans 韓国

CECINO Elia  イタリア

SYCHEV Alexey ロシア

LANYI Ariel  イスラエル

GENIUSHENE Anna ロシア

PEREZ FLORISTAN Juan  スペイン

CHONI Dmytro  ウクライナ

BOROVITZKY Daniel  イスラエル

ŚWIGUT Aleksandra  ポーランド

LOPATYNSKYI Roman  ウクライナ

IVANOVA Dina ロシア

KUWAHARA Shiori 日本

GIGASHVILI Giorgi ジョージア

YIN Cunmo 中国



円安から考えるヨーロッパ製商品の購入

輸入ビジネスでは、為替の動きはコントロールできない天気のようなものです。
弊社も事前に「傘」を用意して、お客様にもなるべく雨がかからないように努めていますが、雨が長く続けばびしょ濡れになるのは避けられません。最近では、ヨーロッパ製品の輸入会社が「雨に濡れています」。弊社も例外ではありません。

まず、ユーロと円の為替チャートをご覧下さい。


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出典: macrotrends

過去1年間で1ユーロは約118円から130円となり、およそ10%も値上がりしました。

この一年の円安動向により弊社の仕入コストが上がっているのに加え、イタリアのファツィオリ工場の出荷価格は毎年必ず、増加改定されます。これは高品質の資材と熟練職人の年々の希少化によるもので、今後も避けられないと考えられています。
また、日本の政府は輸出重視のため、円安を歓迎します。輸入ビジネスのサポートはあまりない状況で、販売価格の値上げプレッシャーにさらされています。

このような状況ではありますが、幸い弊社はシンプルな流通でコストを抑えながらピアノを販売しているため、為替の変動を注視しながら、日本での価格を維持するための努力を行っています。
しかしながら、2021年は世界経済が大きく変化することが予想されており、今後は残念ながら値上げを避けられなくなるかもしれません。

ファツィオリの購入を検討されたいお客様は、良いタイミングを逃さずに早めのご試弾をお勧めいたします。

次のチャートはUSドルとユーロの為替の動きです。

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日本円のチャートと似ていますが、勾配の角度は円と較べて緩やかですし、最近はドル高に傾いています。実は、アメリカではファツィオリも含めて高級ピアノの売り上げが非常に伸びています。

日本よりもロックダウン等の生活制限が厳しい中、自宅での過ごし方に人々の意識が向き、良いピアノに対して購買意欲が高まっているようです。

その影響から、希少生産台数の伊ファツィオリ社から日本への出荷に大きな遅延が出て、人気のモデルについては欠品状況が頻発しています。ます。通常、東京ショールームには全モデルをご用意するように努めておりますが、このような理由から、現在ご試弾いただける台数が限られております。

この雨がいつまで続くか、もしかすると突然晴れ間が見えてくるのかもしれませんが、その時のためにもファツィオリが気になられているお客様には、早い時期でのご試弾をお勧めいたします。

展示ピアノの台数を考えると試弾にベストな時期とは言えませんが、価格の点からはご検討いただくのに良いタイミングです。
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