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December 2010| ファツィオリ日記トップ February 2011

ショパンコンクールへの道 (11)

コンクール開始前に調律師仲間から「1次審査が特にきつく、段々とゆとりが出てくる」と聞いていました。しかし2次審査が始まるとファイナルまで1日の休みもなく続き、ゆとりが出てくるどころか疲労もピークを迎えていました。思えばホテル⇒ホール⇒ショールーム⇒ホール⇒ホテルを徒歩で移動し、ホールでの仕事以外はショールームでもう1台のピアノの手入れとよく働きました。ワルシャワ到着後ポーランドのディーラーからレンタル用F278 のメインテナンスを頼まれ気軽にOKしましたが、ハンマーのファイリングからダンパーアクションのオーバーホール、イタリア工場から必要なパーツを取り寄せ交換するなど、予想以上に大変な作業でした。
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ポーランドの技術者、マリアンも私の作業に付き合ってくれ、あれこれ手伝ってくれるうちにとても良い関係を築くことが出来ました。マリアンのお父さんもピアノ技術者で、子供の頃からまわりにはいつもピアノがあったそうです。そんな環境から彼はいつから調律師として仕事を始めたかは分からないと言っていました。ポーランドに初めてファツィオリを紹介したのも彼で、パリに行った時に初めてファツィオリピアノと出会い、それ以来ファツィオリを愛して止まない人ですから、今回のショパンコンクールにかける意気込みは凄いものでした。いつも感じることですが、パオロに集まってくる人々は皆こんな人達ばかりですから、私も何の躊躇いもなく、すぐ仲間として仕事が出来るのです。そんな人達の激励もまた私の大きな原動力となり、3次審査の仕事に繋がるのでした。

つづく・・・

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