過去 30 年以上にわたり、日本のクラシック音楽を幅広く支援してきた財団があります。それは粛々と日本音楽文化に根差しています。
この財団はローム ミュージック ファンデーション( RMF) です。 RMF はほぼすべてのクラッシク音楽ジャンルにおいて、「音楽家のサポート」と「聴衆の拡大」を柱に、多岐にわたる活動を行ってきました。 RMFのHP をご覧になると、その事業の広範さに驚かれることでしょう。
RMFの歴史はとてもユニークです。 ローム株式会社
の
創立者でもある佐藤研一郎 氏(左写真)は、「子供の頃はプロのピアニスト志望だった。大学 1
年生のときにピアノコンクールに出場し、準優勝に終わったことで音楽家の道を諦めた。大学在学中に開発した超小型抵抗器の特許を元に1954年に起業、一代でロームを世界的な電子部品メーカーに育て上げる。 1991
年、若手音楽家を支援する目的でローム ミュージック ファンデーションを設立した」(Wikipediaより抽出)。
RMFとファツィオリ
RMFは昨年、寛大なピアノ寄贈事業を展開し、全国の音学大学に非常に大きな可能性を開きました。選考を通過した大学は5000万円の予算内で、独自のニーズに合致した機種を選ぶ自由も与えられました。
音大には色々なニーズがあります。竪型ピアノからコンサートグランドまで、用途により色々なサイズがあります。いずれの場合も、良いピアノで演奏すればピアニストにとっては大変勉強になります。良いピアノは幅広い音色を備え、生徒に限りない表現の可能性を教えることができるからです。
ヨーロッパの音楽機関・国際ピアノコンクールでは、ファツィオリは広く使用されています。2021年のショパンコンクールにおけるファツイオリの躍進で、日本においても、「音大生が国際コンクールで成功するためには、ファツィオリピアノも弾く機会を提供して、学生の選択肢を広げるべきだ」と言う教授陣の声も増してきました。
最終的に、2023年度は三校の音楽大学がファツィオリピアノを選考されました。東京音楽大学と昭和音楽大学がフルコンサートグランドピアノ F278
を選考され、また東京音楽大学は2台目のピアノとして F212
を、平成音楽大学も F212
をベートーヴェンホールの為に選ばれました。
F212の選定は東京の弊社のショールームで行われましたが、フルコンサートグランドの場合は、通常イタリア本社の工場で選定を行います。 RMFの担当者 の立会いのもと、各大学から任命された選定者による熱のこもった選定のお陰で、素晴らしいピアノが選定されました(右の写真:東京音楽大学のサチーレ工場における選定)。
RMFの担当者が納品時に寄贈の銘板をピアノの内側に付け、 3 月末までに全てのピアノの納品が完了しました。
2024年のピアノ寄贈事業が始まったばかりですが、ファツィオリにご興味がある場合は、ご試弾の機会をご用意します。
ご連絡をお待ちしております。
ウクライナ生まれ、 2013 年ヴァン・クライバーン国際ピアノコンクールの覇者、
ヴァディム・ホロデンコが4年ぶりに来日。
2023年 12 月 12 日(火)東京・紀尾井ホールで東京 21 世紀管弦楽団と協演し、モーツァルトのピアノ協奏曲第 20 番とベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番を、一夜にして自ら弾き振りする演奏会を行います。
この特別な演奏会は、一体どのようにして実現したのでしょう?
今日はその物語をご紹介します。
コンサートを聴きに行く時に、どれだけの事前の企画・準備がその裏にあるかということに思いを馳せる人は余り多くないでしょうか。クラシックコンサートの場合、1年~1年前にホール予約を始めとして, 大体の企画が決まります。
しかし、今回の12月12日のコンサートの場合は、特に長い道のりでした。その上、紆余曲折のストーリーが。
まずは、未来に羽ばたく新しいオーケストラとして創設されたばかりの、「東京21世紀」の協力コンサートとして、2019年11月に具体的な企画を始めました。2020年9月のコンチェルトコンサート開催を決定し、準備を進めておりました。
しかし、コロナの影響ですべての企画がダメになりました・・・
そして、4年の月日が経ち、実現します。
なぜヴァディム・ホロデンコ? 特別なアーティストです。この若きウクライナ人ピアニストは何故か日本では存在感は薄いようですが、欧米では非常に人気があり、各国のオーケストラから引く手あまたです。「ピアニストのピアニスト」と言われるほどに、コンサートピアニスト達に尊敬されており、マスタークラスを希望するピアニストは後を絶ちません。三十代半ばにして音楽関係者にはMaestroと呼ばれています。ショーマンシップより、音楽性や完璧な技術、および比類のない広い音色のパレットで、音楽そのものの真髄を語るアーティストです。
まずは、ヴァディム・ホロデンコの演奏を少し楽しんで下さい。
圧倒的な優勝で知られた2013年のヴァン・クライヴァーンコンクールでの演奏。
あまり知れてないビデオですが、2017年、ウクライナでのバッハコンチェルト
および最近のアンコール曲、ホロヴィッツの「カルメン変奏曲」
そして、ベートーヴェン ピアノコンチェルトNo.5 「皇帝」
コロナ時代が終わって、「東京21世紀管弦楽団」とヴァディム・ホロデンコのコンサートが再度テーマになりました。最初に、ベートーヴェンのピアノコンチェルト+ベートーヴェンシンフォニーその他を考えました。
しかし今年は弊社の創立15周年記念コンサートシリーズの一環です。やはり、ピアノ会社のお祝いなので、ヴァディムのピアノをもっと聴いて頂きたいと思い、ヴァディムに優しい圧力を掛けて、コンチェルトを2曲弾いてくれるよう懇願しました。その結果、彼はベートーヴェンの第4番コンチェルトとモーツァルトの有名な第20番コンチェルトの2曲を同じコンサートで弾くことになりました。
さらに、ヴァディムはコンチェルト2曲だけではなく、コンサートの指揮も行いたいでしょうか?コンサートピアニストと話す時に、オーケストラの問題の話は多いです。
ヴァディムは「よろこんで」と弾き振りを引き受けました。つまり、オーケストラはソロイストと一体になって解釈すると、曲のイメージをしっかり作りあげることができるので、大歓迎ですということでした。
結果的に、このコンサートが出来上がりました。かなりユニークなコンサート経験になると思いますので、弊社の特別な15周年のお祝いにぜひご参加下さい。
「殆ど弾かれることのない」近代音楽の傑作、「不屈の民」の魅力について、ジェフスキーをこよなく愛するピアニスト、大瀧拓哉さんと音楽ジャーナリストの藤巻暢子さんが対談を行われました。ユーラシア協会の許諾を得て、「日本とユーラシア誌」に掲載された貴重な対談を皆様とシェアします。
チリの革命歌として民衆から自然発生的に生まれたメロディーが、アメリカ建国200年記念音楽祭の為のディアベッリ変奏曲に匹敵する委嘱作品として、ジェフスキ―の手により、36の変奏曲として作曲されたのが1975年。難解と思われる大曲の魅力が分かり易く解説されています。
ウクライナ出身のヴァディム・ホロデンコが12月5日にリサイタルを行います。この稀な機会を是非お聴き逃されませんよう。
ヴァディム・ホロデンコが4年振りに来日するにあたり、弊社では2公演を主催します。
最初の公演 は、2023年12月5日(火)ファツィオリが常設され、ガラス張りの、美しい海が見える人気の「豊洲シビックセンターホール」で。自他ともに認める、「余り知られていない、滅多に弾かれることのない」ジェフスキー「不屈の民」による36の変奏曲(原題:団結した民衆は決して敗れることはない)を演奏します。
弊社も最初は「こんなに馴染みのない曲は。。。」と躊躇しましたが、ヴァディムに説得されました。彼の祖国ウクライナの現状に対する心情を思うと、やはり今聴いて頂くには、これほど適した音楽はないように思いました。
現代の最高傑作の一つと言われるこの曲は、一聴すると難解な超絶技巧の曲のようですが、非常にシンプルな心に残るテーマが、ジャズあり、ロマン派ありなどと色々な変奏に姿をかえてメッセージを持ちながら現われ(音響効果のためにピアニストに口笛を吹かせる箇所もあり)、物語性に富んだ作品です。卓越した作曲技巧を通じて伝えられる、揺るぎのないメッセージをホロデンコが彼ならではの、深い音色の陰影でお届けします。
なお、このビデオはホロデンコが4月の台湾ツアー中に、練習の合間に弊社が録音したもので、カジュアルでごめんなさい。
12月7日(木)には川崎ミューザ― にて、神奈川県立芸術協会主催の「夜ピアノ」の公演に出演します。ヘンデルからアデスまでの多彩なプログラムです。彼は同じプログラムを8月の「ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭で弾いており、絶賛を受けています。日本で聴けるのはラッキーですね。
12月12日(火)は紀尾井ホール にて、弊社主催のホロデンコ指揮・ピアノのコンチェルトの公演があります。初めて本格的指揮に挑む、モーツァルトピアノ協奏曲第20番とベートーヴェンピアノ協奏曲第4番を通して、アーティスト・ホロデンコの素晴らしさをお伝えできることと思います。
ご来場をお待ちしております!
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