ヴァディム・ホロデンコ 今来日初演はジェフスキー「不屈の民」変奏曲、他

ヴァディム・ホロデンコが4年振りに来日するにあたり、弊社では2公演を主催します。

最初の公演 は、2023年12月5日(火)ファツィオリが常設され、ガラス張りの、美しい海が見える人気の「豊洲シビックセンターホール」で。自他ともに認める、「余り知られていない、滅多に弾かれることのない」ジェフスキー「不屈の民」による36の変奏曲(原題:団結した民衆は決して敗れることはない)を演奏します。

弊社も最初は「こんなに馴染みのない曲は。。。」と躊躇しましたが、ヴァディムに説得されました。彼の祖国ウクライナの現状に対する心情を思うと、やはり今聴いて頂くには、これほど適した音楽はないように思いました。

現代の最高傑作の一つと言われるこの曲は、一聴すると難解な超絶技巧の曲のようですが、非常にシンプルな心に残るテーマが、ジャズあり、ロマン派ありなどと色々な変奏に姿をかえてメッセージを持ちながら現われ(音響効果のためにピアニストに口笛を吹かせる箇所もあり)、物語性に富んだ作品です。卓越した作曲技巧を通じて伝えられる、揺るぎのないメッセージをホロデンコが彼ならではの、深い音色の陰影でお届けします。

なお、このビデオはホロデンコが4月の台湾ツアー中に、練習の合間に弊社が録音したもので、カジュアルでごめんなさい。

12月7日(木)には川崎ミューザ― にて、神奈川県立芸術協会主催の「夜ピアノ」の公演に出演します。ヘンデルからアデスまでの多彩なプログラムです。彼は同じプログラムを8月の「ショパンと彼のヨーロッパ」音楽祭で弾いており、絶賛を受けています。日本で聴けるのはラッキーですね。


12月12日(火)は紀尾井ホール にて、弊社主催のホロデンコ指揮・ピアノのコンチェルトの公演があります。初めて本格的指揮に挑む、モーツァルトピアノ協奏曲第20番とベートーヴェンピアノ協奏曲第4番を通して、アーティスト・ホロデンコの素晴らしさをお伝えできることと思います。

ご来場をお待ちしております!

弊社の15周年の記念日

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ファツィオリジャパン株式会社は、8月13日に満15歳を迎えます。

弊社は2008年8月13日にピアノフォルティ株式会社として設立、2018年に現社名に商号変更致しました。

この15年間の間にリーマンショック、3.11、コロナなどの憂える非常事態も生起しましたが、幸いにも素晴らしいお客様との出会いや多くの支持者からの貴重な出会いにも恵まれ、感謝の気持ちで本日を迎えます。

皆様には心より御礼申し上げます。

今秋からは15周年記念の活動やコンサートを行いますので、是非ご参加下さい。

今後とも、日本のピアノ愛好家のために一層の素晴らしい音色をご用意致し、更なるご満足の為に努力致します。

ファツィオリジャパン株式会社 

弊社は満14歳になりました

ファツィオリジャパン(株)は2008年8月13日に設立され、今年のお盆に満14歳の誕生日を迎えました。弊社の第15周年が今週から始まりました。

この14年の間には、リーマンショック、3.11、コロナ等々の歴史的な逆境も通り抜けてきました。これもひとえに皆様のご愛顧の賜物と感謝しております。昨年のショパンコンクールにおけるファツィオリの成功は、我々に次の飛躍に向けて、新たな使命とチャレンジを与えてくれました。日本の皆様の為に、今後も最高のピアノとサービスをご提供することに、一層邁進してまいります。

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去年のショパンコンクール優勝者ブルース・リウの1次演奏より、スケルツォOp.54をぜひ楽しんで下さい。

阿久根市民交流センター 風テラスあくね

阿久根市民交流センター 風テラスあくね

採用ピアノ  ファツィオリF278
住所  鹿児島県阿久根市塩鶴町二丁目2番地
施設  ホール(最大定員541席)、屋外広場、交流室5室ほか)
設置者  阿久根市
指定管理運営  阿久根市生涯学習課

阿久根市民交流センター 公式HP

鹿児島県北西部、東シナ海沿岸に位置する阿久根市は、温暖な気候を利用した農業・水産業が盛んな自然豊かな街。ボンタンなどの柑橘類、ウニや伊勢海老などの海の幸も豊富で海水浴や釣りのメッカとしても知られている。2018年にオープンした阿久根市民交流センター(通称「風テラスあくね」)は、特徴あるデザインと優れた音響とともに、九州の公共ホールとしては初めてファツィオリを導入したことで全国的に知名度を上げている。オープン以来、企画・管理・運営に携わってきた岩切氏にホールとファツィオリについて伺った。

阿久根市生涯学習課 自主文化事業等推進岩切 和彦(いわきり かずひこ)氏

独自の設計と優れた音響を誇る「風テラスあくね」

「風テラスあくね」は、540名席の中規模の多目的ホールの他に、打ち合わせや研修室として利用可能な5つの交流室を備える市民のための文化施設である。建物は、その名のとおり風が通り抜け光が差し込む開放的な外観である。「非常に珍しい非対称のデザインは、音響に有利であるだけでなく、目にも心地よいものです」と、話をしてくれた岩切氏もホールと同じように明るく爽やかな雰囲気の持ち主であった。

「このホールは、市民ワークショップを何度も行い、様々な使い方を想定して設計されました。例えば、ロビー自体がパフォーマンスの場として使えるようになっています。また、ロビーの先が舞台になっていて、ロビーの扉を開けると舞台に出られるという、ユニークな設計です」

言葉での説明ではイメージを持つのが難しいが、実際に見せてもらったところ、確かにロビー正面奥の扉を開けると目の前はステージ、その先に客席が広がる。

「この扉は特別な演出効果があります。演者が舞台正面から登場すると客席が湧きますね。通常、お客様はロビーの右奥の入り口から舞台下手に設けられている花道を通って客席に着きます。花道は、ステージの一部としても客席としても利用されます」

花道の壁側は一面ガラスで、黒いカーテンを開けると季節や時刻の移り変わりを感じることができる。客席最上部にもガラスが使われており、自然光をふんだんに取り入れた明るいホールは、風光明媚な阿久根市のイメージそのものだ。さらに、一階席上手から二階席につながるもみあげ席と舞台を取り囲むバルコニー席が、客席と舞台の一体感を生み、親近感が感じられるつくりになっている。


岩切氏は、20代の頃から東京で舞台の照明・音響・大道具など舞台制作に携わり、有名歌手の舞台監督や企業イベントに長年携わった後、故郷の阿久根市でホールの建設計画の時から参画、現在も企画から管理運営に携わっている。ホールの設備面で、氏が強調していたのは音響の良さだ。
「風テラスあくねは、永田音響設計さんが音響設計から一連のコンサルティングに携わっていて、とにかく音の響きが良いホールです。もみあげ席の壁側が音響反射板としての機能も果たしていて、ホール空間自体が細部まで音響効果を計算されたボックスになっています。多機能ホールではありますが、アコースティックの音にもとても向いていると思います。九州の中規模ホールでは有数の音響の良さと自負しています」

プロピアニストの評判で決めたファツィオリ

九州のホールでは初のファツィオリ設置ホールとなった「風テラスあくね」。どのような経緯で選定されたのだろうか。

「私もピアノ選定委員会のメンバーでしたが、ファツィオリの存在を知りませんでした。ヤマハ、カワイ、スタインウェイが主流なので、そこから選ぶことになるだろうと思っていました。ただ、工場やショールームで弾き比べて選ばないとピアノの個体差があるだろう、と話が上がっていた頃に、やはりピアノ選定委員のジャズピアニスト松本圭使さんがファツィオリを知っていて、東京のショールームで試弾してくると。帰ってきて、開口一番『岩切さん、あれは絶対にいい!』とすごい勢いで言われました」

「そこで、私も知り合いのプロのピアニスト数名にファツィオリのことを尋ねてみたのですが、返ってきたのはいい反応ばかりでした。弾いたことのない人も『いいらしいですよ、弾いた人に聞くとすごくいいと言いますよ』と。九州では初めてのファツィオリとなりますし、ファツィオリジャパンからのバックアップも決定の後押しとなり決まりました」

阿久根市では、ふるさと納税の返礼品としてファツィオリの演奏体験や市民向けの試弾会を行うなど、積極的にファツィオリの存在を市内外にアピールしている。

「ピアノ愛好家の方からもプロの方からも、『音に引きこまれる、やっぱり違いますね』と絶賛されます。ファツィオリがあるから阿久根市に来てくれる演奏家も多いですし、録音で使う方や、最近では国際ピアノコンクールに応募する方が練習や録画のためにいらっしゃいます。ルービンシュタインやショパンコンクールでファツィオリでの優勝者・上位入賞者が次々出てきていますし、ピアニストなら一度は弾いてみたいピアノではないでしょうか」

阿久根市から1時間半ほどかかる鹿児島市から、試弾会や練習に来るケースが半数もいるそうだ。「ファツィオリにはそれだけの価値があるし、今後さらに演奏機会を求めるピアニストが増えていくでしょう」

オープンから4年目を迎えた「風テラスあくね」。最後に、今後の活動について聞いた。「大人には癒しを、特に子供たちに感動や驚きを与えるものを提供していきたいです。阿久根は共稼ぎの家庭が多く、子供達を文化的な場に連れて来るゆとりが少ないのが現状です。今は、パソコンや携帯電話で簡単に娯楽を手に入れられますが、感受性が強い子供時代に本物の音楽や芸術に接することはとても大切な経験です。音楽ってすごいな、気持ちいいなと思う経験。そういう何かがあれば、大人になった時に生活にリズム感が生まれたり、ハッピーな気分にもなれます。本物との出会いは人生が変わるくらいの大きな経験です」

岩切氏の子供達への真摯な想い、演者や観客への責任感とホールへの愛情、そしてホールの評判が、有名アーティストが阿久根を訪れる理由であろう。これからも、私たちは様々な場で「風テラスあくね」の名前を目にすることになりそうだ。

阿久根市公式チャンネル 「アクネ イイネ トリップ」

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