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April 2014| ファツィオリ日記トップ | June 2014
最終コンチェルトのためのリハーサルが5月27日に始まって以来、現地ピアノフォルティFazioliチームは目まぐるしい日々を過ごしました。
Fazioli奏者でファイナルに残ったのは6人中マリア・マゾのみでしたが、それまでスタインウェイを弾いていたピアニストから次々、最終コンチェルトのリハーサルをFazioliで行ないたい、という希望が続出。
コラフェリーチェがラフマニノフ3番はFazioliで弾きたいという話しは、ファイナルが始まった早くからありましたが、その他は全く寝耳に水。 コンペティションコミティーのShulyから, XX君がFazioliでリハーサルしたい, という話しが持って来られる度に、
え〜又と嬉しい悲鳴を挙げて、睡眠時間を削ってのピアノの調整、連続するリハーサルの立会いにあけくれていました。
(コラフェリーチェと大満足のパスクヮーレ先生)
結果は, 最終コンチェルト第一日目は3 人全員がFazioliを弾きました!
良いニュースは大体、夜中から未明にもたらされるもの。
そうです。最終日チョソンジンがFazioliを弾きます!是非ご覧下さい。リハーサルは最高でした。ということで、最終コンチェルトは6人のうち、5人がFazioli,1人がSteinway でおこなわれます。
何故こんな異変が? この続きはまた明日。
弊社の越智晃は色々な大きな国際コンクールのピアノ技術を担当していますが、先日「ピアノの惑星」が越智をインタビューしました。
全文を以下に掲載しましたので、ご覧下さい。
このコンクールのプログラムはとても自由度が高いですが、コンクールの為に書かれた曲も二つから選ぶことができます。その一つ Subconscious Labyrinths
を書いた Benjamin Yusupov
が、第一ラウンドでFAZIOLIで弾いた韓国の Jae-Weon Huh
の演奏をとても高く評価してくれたので、お二人との会談を設定しました。
コンクール曲ということで、作曲に特別な考慮が有ったか聞いてみました。
・若いピアニストのために、新しい発想の曲を
・審査員が同じ曲を立て続けに聴かなければならないので、それに耐えられる奇麗な曲
・暗譜が条件なので、暗譜しやすく困難過ぎないこと、しかしピアニストの限りない能力が発揮できる、virtuostic なものということでした。
この曲は
ロマンチックな音楽家の心の中に湧き起こる様々な気持ち、不安、期待、迷い、突然の思いがけない様々な心のさまよいを音楽で表現したもの。シンコペーショ
ン的な付点、複雑なリズムは思いがけなさ、移ろいを表すため。人間の心はシメトリックではない。低音から高音への幅広いレンジのいきなりの飛躍、難易なリ
ズムからルバートへ、フォルテッシモからロマンティックなキラキラしたピアニッシモ、山あり、谷ありの大変そうな曲でしたがとてもきれいでした。
Benjamin Yusupovから、FAZIOLIで弾かれた演奏が一番良かったとお褒めの言葉を頂きました。Jae-Weonの演奏は一番お気に入りで、録音することがあれば必ず送って欲しいといわれ、Jae-Weonも大感激!
さらに、今二台のピアノの為のソナタを作曲中で、完成の暁には一番最初にあなたに弾いて欲しいとのプロポーズ!思わず大作曲家と手を取り合う場面がありました。
1990年にロシアから移民し、作曲家、指揮者として世界的に活躍しているBenjamin Yusupov 氏。人間的にもとても素晴らしく、温かい人だと思いました。
今日は第二ラウンドの最終日、16:30からセミファイナル通過者の結果発表がありました。
今年からジュニア審査員制度が導入され、まず最初に、17歳から19歳の7人の音楽学校の学生により選ばれた、7人の名前が発表されました。その中には、
FAZIOLIで素晴らしいダイナミックな独自の音楽で聴衆を湧かせたJi-Yong Kim
と、美しい音色を奏で、皆をうっとりさせた工藤奈帆美さんの名前もありました。日本人の中では尾崎美空さんも入っていました。
でも、当確のはずのMaria Mazo
の名前がなく、何かおかしいなと思っていると、続いて、審査員の結果発表が通過しなかった人から順番にありました。ルールではジュニア審査員と本審査員の
意見が食い違った時は、本審査員の意見が採用されます。(当然でしょう)。結果は6人中3人のみ一致。その三人とはBaryshevskyi
Antonii, Colafelice Leonardo, Cho Seong-Jin でした。残りの三人はLin Steven,
Osokins Andrejs, Mazo Maria.
複雑過ぎて、何が起きているか良く分からない人も。皆の感想は、このプロセスにどういう意味が有るの?!
これで、Fazioliを選んだ人の中では、Maria Mazoさんのみがファイナルに進出することになりましたが、Ji
-Yongと奈帆美さんという素晴らしいピアニスト達と過ごした一週間、本当にピアノメーカー冥利につきました。有難う。今後のご活躍をお祈りしておりま
す。
Ilanはこのコンクールのステージマネージャーです。ピアノの選定の立会いから始まり、舞台の全ての重要な進行役をコンクール期間中一人で務める、とてもタフな役割です。20数年イスラエルシンフォニーのステージマネジメントを務めたあと、今は引退し、三年に一度のこのコンクールの仕事のみをしているとか。経験豊富なのでとても助かります。
Fazioli を選んだ人は何故か全員最終の二日に集中し、 S → F 、 F → S の ようなピアノの入れ替えを休憩時間なしに、素早くやり遂げなければなりません。
この写真はそのリハーサルをしているところです。
このコンクールでは基本的に、グランドピアノによる公式練習時間が確保されていません。
その代わり、ホテルの各自の部屋にアップライトピアノが与えられ、朝9:00から夜の9:00までお昼寝(?)の14:00から16:00の間を除き、10時間練習できます。しかし相部屋なので、ルームメイトとのシェアです。
しかもピアノは古く、キーも飛んでいたり、一日10時間の激しい演奏の後にはピアノの音も悲惨になってきます。隣接の部屋から聞こえてくる互いの音に邪魔されて、自分の音が聞こえない。その上それをかき消すような、ホテルの非常階段の工事中の激しいドリルの音。
そこで、弊社ではFazioliを弾かれる方の為に、Fazioliでの毎日の練習場所を確保すべく、奔走しました。現地ディーラーのショールームは工事中で、Fazioli は設置されておらず・・・・・・・・・・呑気なお国柄です。
ここはイスラエル国営教育テレビのArie Vardi 教授の "Intermezzo with Arik"シリーズ
の収録スタジオです。ここにFazioliのF212が持ち込まれ、定期的に収録されます。
ここは、民間録音スタジオです。F183が落ち着いた木のフロアリングと壁に囲まれた一室に置かれ、心地良い空間です。
ここは民間のお宅のリビングです。大きな家にプールのある美しい庭。優しく寛大なホスト。このF212のピアノはルビンシュタイン・コンクールの初代調律師が10数年前にSacile工場で選定したとか。かなり初期のピアノですが、とても良いピアノです。
今週はこの3箇所を駆使し、毎日一人当たり3-5時間の練習時間を確保することができました。Fazioliを弾かれる方々は第一ラウンド最後の二日に集中しているので、かなり長い助走時間となりました。
でも、皆様の優しさに支えられ、緊張もほぐれて来ているようです。いよいよ、日曜日から出場します。お楽しみに。
コンクール初日は大変感動的な一日でした!
朝はコンクールの演奏順番の選択がありました。
後で、狭い部屋で参加者全員の記念写真撮影。狭いですので、最初は難しかったですが・・・
以下のビデオはベートーベ ンの合唱幻想曲です。ぜひご覧下さい!
この貴重なご試弾写真をご覧下さい:
13日のオープニングコンサートのリハーサルが本日も行われました。
珍しい曲を練習しました・・・ベートーヴェンの合唱幻想曲、Op. 80。この曲は後の「第九」へと至る主要な源流のひとつと考えられています。テーマなどが大変似ていますが、同時にピアノコンチェルトの風味もあります。
ピアニストはダニール・トリフォノフです。彼は弊社の楽器を選びました。
おそらく今年の国際ピアノコンクールの一番のハイライトはルービンシュタイン国際ピアノコンクールでしょう。ファツィオリ初デビューの当コンクールにおける技術・アーティスト関係を、 日本チームが担当しております。
4月30日はユネスコ「International Jazz Day」でした。ジャズに象徴される文化の多様性と人類の融合、平和を祈念し、世界中でこの日が祝われました。
今年の記念コンサートは世界全大陸の196ヶ国+ 南極大陸と
国際宇宙ステーションを繋いでお祝いされましたが、世界の中心は大阪でした。
大阪城西ノ丸庭園で行われたギャラ・ジャズコンサートは以下のビデオでご覧になれます(30:45に自動的に始まります)。
ハービーの感動的なスピーチも翻訳付です。
また、この下に準備の模様の写真をアップしましたのでお楽しみください。
4月26日のアヴィラム(Aviram Reichert, イスラエル出身、ソウル国立大学準教授)
による公開レッスン&コンサートは、
1時間50分にもわたる、とても濃厚なレッスンとなりました。事前に、「課題が残らないところまでやる」言っていたアヴィラムですが、随所
に渡り細部の「音色」にこだわるパーフェクショ二ストの彼に、素晴らしい反応を示した鐵百合菜さん。情景の絵画的イメージを駆使し、聴衆への質問も交えながら、鐵さんを「追い込んで行く」。数回の試みで先生の求める音楽を奏でて行く生徒に、アヴィラムも時間が経つのを忘れたようです。
素晴らしい技術と自分のアイディアもあるので、音に集中しなさいというまとめでした。その後予定のコンサートをこなし、さらに一曲ラフマニニフノのプレリュードOp. 32-5をアンコールで弾いてくれました。このイベントの詳細は こちら
。打ち上げは盛り上がりました!
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