ロンドンと ヴェルビエで、
アンジェラ・ヒューイットとダニール・トリフォノフ
1)
アンジェラ・ヒューイット還暦のお祝いコンサート(ロンドンWigmore Hall)
ご存知のように、アンジェラさんは現在世界の主要都市において、4年間でバッハの鍵盤音楽の全てを演奏する「 バッハ・オデッセイ
」のプロジェクトの真っ最中です。ロンドン在住のアンジェラはゴルドベルク変奏曲を16才の時に初めて演奏しましたが、これはアンジェラの人生で一番重要な曲となりました。
「2018年のバッハオデッセイは平均律第一巻で始め、第二巻で終える。その間の7月26日の還暦の誕生日にはウイグモアホールでオデッセイ第6部のゴルドベルクを演奏する」ことは数年前にオデッセイプロジェクトを立案した時に、決めていたとのご挨拶でした。
還暦の日にオデッセイでゴルドベルクを演奏することは、彼女にとっても特別な意味を持つことだったようです。万感の思いのこもった演奏、スタンディング・オベーション、鳴りやまぬ拍手。アンジェラを愛する聴衆の皆も心より祝福、感動を分かち合いました。
コンサートの後はイタリアンレストランに場所を移し、楽しいパーティー。 カナダ、アメリカ、ヨーロッパ各国からファンが集いましたが、アンジェラ16歳のゴルドベルク初演を聴かれたという方もご出席。 皆で、 バッハの代わりにハッピーバースデーを歌いました。
2)
ダニール・トリフォノフの
自作曲「
Quintetto Concertante」
(ピアノクインテット)
、
世界初演 Verbier音楽祭
、
およそ4年くらい前からダニールが弊社で練習をしている時に、作曲中の曲を弾いて見せることが多くなりました。ヴァイオリンとピアノのコンチェルトとして書いて、最終的に美しいヴァイオリンパートを持つピアノクインテットとして完成されました。 ダニールはピアニストとして世界的なスターであるだけではなく、作曲家としての道も早くから歩み始めていました。弊社が主催した2011年の日本デビューリサイタルで初演して有名になった「ラフマニアーナ」を始めとし、色々なピアノのソロ曲、サックスとピアノの曲、そしてピアノコンチェルト(2014年初演)などを作曲して来ましたが、この曲は彼を作曲家として新しいレベルにもたらしたものと言えます。非常に複雑なリズムやハーモニーが展開される、激しい感情を表現した曲です。ダニールはこの曲の初演の為に、Fazioli をリクエストしました。今年25周年を迎えるヴェルヴィエ音楽祭の歴史で、Fazioli にとっても記念すべきデビューの年でした。 この 演奏の録音
は8月6日までサイトにアップされていますので、お聴き逃しのないよう(Mediciの登録が必要です)。また、7月31日の ダニールのリサイタルビデオ
も併せてご覧ください(11月7日まで)。