ラフマニノフのピアノ協奏曲第三番とパガニーニの主題による変奏曲は、高い演奏技巧が必要とされるだけではなく、 ロマンチックな曲の真髄を表現するために、アーティストにとって精神的にも求められるものが大きい最難曲の一つです。そのため、 一つのプログラムにこの二曲を入れるのは稀なこと。ましてや完璧に演奏するのは驚異的なことです。
3月13日のコンサートは、まさにその驚異的なパフォーマンスが現実となった特別なコンサートでした。 フェニーチェ堺
において、当ホール所有のファツィオリF308を使用して行われたコンサートのバックステージの様子を皆さんに少しお知らせします。
まずは、コロナ時代に対応した 反田さん
のポートレート。(はい、ご本人です。)
フェニーチェ堺のF308は、4本ペダル仕様です。 第4ぺダルの使い方を熟知した反田さんの演奏は、ピアノのダイナミックレンジを最大限に見事に生かしたもの。
フェニーチェ堺 大ホールのキャパシティーは約2,000席ですが、舞台から十分な距離を取るために空けられた最前列の二列を除いて満席でした。
休憩時間に行われるタッチアップ調律を見守る観客の方々。素晴らしい音が引き出されたファツィオリに、興味深々で撮影もされていました。
非常に繊細で完璧な演奏が終わると、鳴り止まぬ拍手とスタンディングオベーション。お客様からの熱い反応に反田さんからも感動の涙。アンコールはグリーグの「トロールハウゲンの婚礼の日」。
なお、コロナ禍の発生の直前に、反田さんは大ホールのオープニングコンサートを弾きました。ワルシャワフィルとの協演でショパンピアノ協奏曲1番の演奏でした。パオロ・ファツィオリもオープニングに立ち会いました。 当時のリポート
をぜひご覧ください(短いビデオも入ってます)。
(Fenice Sacayの雑誌の表紙。ファツィオリを見せて頂き、感謝いたします。)